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トリサーチを行い、乗客ニーズにあった試みを継続して実施してきている。現在の運行状況は、500路線、9500kmに及び、収入の97%が運賃収入(残りの3%は、自治体要請の福祉バス運行費)、子会社なしの一元経営、頻繁な運行(バーミンガムでは2、3分に1台)、低廉な運賃(平均45ペンス)を自慢している。
輸送乗客数は年間で330m人で、そのうち80m人は高齢者であった。また1日の時間別乗客者数を9:30〜16:30の昼間の利用が約半数を多いのが特徴的である。会社としての副業はいっさい無く、特殊バス以外はすべて補助金なしで運行しており、かつ会社としてはかなりの利益を得ている(収入133mポンド、利益25mポンド、1995年)ので、人件費が安いことを考慮に入れても、かなりアクティブであるといえる。会社の形態としても本社のスリム化を行い、9F建ての本社ビルに約900人が働いていたのを、現在では平屋の長屋の一角に約20人がいるに過ぎない。また車両の減車も整備・運行の効率化により実施しており、最近までに数百台規模の削減を行った。現在行われているプロジェクト(Showcaseproject)では4つのポイントがある。
1つ目は低床バスの大量投入。リストラの最中には新車購入を抑えていたこともあり、車両の老朽化が進んでいるが、最近になって低価格の低床バスが登場したので、今後の高齢化を考え、低床バスの大量導入となったものである。従来のバス(ボルボB10Bクラス)が10万ポンド、低床バス12万ポンド、中型べースの低床バス10万ポンドくらいといわれており(いずれもユーザオプションを含んだ購入価格)、今年度の投入車がすべてボルボになったのは、同社がベストプライスを提示しだからという。低床バスには新しい専用色を採用し、会社のロゴもTravelWestMidlandと順序を入れ替えて新生を明示している。旧式のダブルデッカーは約1100台在籍しているが、シングルデッカーで代替できないものは、ダブルデッカーの低床車の登場を待つことにし、今後の新車はすべて低床とする方針がとられている。現在までに約30台納車済みであるが、そのほとんどがB6LEで、401、402路線に集中投入されたものである。(B6は最終的に50台)残りは今後の標準となるB10Lであるが、先行投入車両は各所で訓練中で、運行には入っていない。
2つ目はバス優先の道路環境の整備。バスレーンや連動信号は実施済みであり、自家用車の乗り入れ制限を後述のトラム開業とリンクして検討中である。
3つ目は乗客への情報提示。主要ルートすべてのバス車体に運行系統番号をペイントする作業が進められており、乗客から好評である。さらに車内の電子表示、バスロケーションシステムの導入が準備中(97年2月にNo.33系統で始める)である。また、路線図、時刻表なども見やすいものが用意されている。
4つ目はスタッフトレーニング。接客態度の悪い職員は解雇も辞さないという心構えているという。
もう一つの大きなプロジェクトとしては、GasBusProjectがある。これは、WMTとボルボとBritishGasの共同プロジェクトで、No.529系統において14台のCNG低床バスを走らせるというものである。これには車両に関して2.5mポンドの投資を予定しており、ガスステーションの建設はBGの負担、車両はボルボB10LのCNG仕様となる。車体は、屋根上にボンベを搭載することから強度アップしたボルボのオリジナルデザインとなり、ベルファストでアレクサンダー社がライセンス生産を行う。1997年春の

 

 

 

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